子供たちの”想い”が最も強く集まる場所、学校。
そこではいろいろな『ウワサ』が生まれ、飛び交い、そして消えていきます。
あらゆる怪異、妖怪。
彼らの多くが、物語りの舞台として好む場所。
それが『トイレ』です。学校のトイレといえば、『トイレの花子さん』が代表格ですが、 彼女には、今回はお休みいただいて、彼女のライバルとも言える存在、『赤マント』
彼に関して、少しばかり語らせていただきましょう『怪人 赤マント』
彼の経歴は結構長く、昭和初期には既に存在していた、といわれています。
その頃の彼は、小説『妖魔夜行/真紅の闇』の一編、 『さようなら、地獄博士』に出ておられる朝津三郎氏のように真っ赤なマントに、真っ赤なシルクハット。 その手には、ステッキを握っており、夕暮れ時に町を徘徊し、夜遊びする悪い子供をさらっていく。 という、存在だったようです。昭和とはいえ、夕方を過ぎれば通りは真っ暗。
人さらい等もまだ横行していた時代です。
夕暮れ時に遊びに行ったまま、行方不明になってしまう子供は意外と多かったのではないでしょうか。
それに加え、町を闊歩する異人たち。
自分達に比べ大柄で、訳のわからない言葉で会話する彼らは当時の人の達の目には 奇異な存在であったのは想像に難くありません。(現に今でも『外人』というだけで、敬遠してしまう方も多いですし)実際、外国人の人さらいも多かったそうで、そんな時代に生まれた『赤マント』も異人の姿で描かれることが多かったようです。
やがて時代が流れ、『口裂け女』が巷を席巻した頃。
『彼』は一旦、なりを潜めました。そして、昭和も後期に入り、『口裂け女』がおとなしくなった頃。
『怪人 赤マント』は今度は学校のトイレに声のみの殺人鬼として、再び現れたのです。学校のトイレも含め、公衆トイレは完全な密室とは言いがたく、 しかも不特定多数の人間が利用します。
ある意味、いつ、どんな事件があっても可笑しくない、と言えるでしょう。一人で個室に入っている時、誰かが上から覗いていたら。
そして、それが人間以外の『何か』だったら・・・。
そんな不安が彼を声のみの妖怪として、蘇らせたのではないでしょうか。蛇足ですが、夢喰鳥 ねむ先生の『HORN TED じゃんくしょん』というマンガには、良い『赤マント』が出演しています。
時にはそんな『赤マント』がいてもいいのでは。最後に『彼』に狙われた時の対処法を一つ
『赤いマントと青いマント。どっちがいい?』と訊かれたら、 決して返事をせず、じっと動かずにいればやがて声が遠のき、助かるのだそうです。
『黄色』といえば助かる、という説もあります。さて、もしもあなたが公衆トイレの個室に入っている時、不思議な声が聞こえてきたら・・・。
それは獲物を探す『赤マント』の声。なのかも知れません・・・。